独立したら手間もお金もかかる会社をつくるのかどうか?会社をつくった3つの理由

年金事務所にて - EOS RP(RF35mm f1.8)
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フリーランスの仕事で利益が出てくると「法人化する?」という話もあります。

そこで、あえてわたしが会社をつくった理由についてお伝えします。

目次

フリーランスが会社をつくったら変わるお金の流れ

フリーランスとして独立して、利益が多くなってきたら、会社にすることを考えます。

フリーランスでの仕事を会社としてやっていく、いわゆる「法人成り」というものです。

その大きな理由は、税金の負担です。

フリーランスの場合、じぶんの手取り、つまり生活費は経費になりません。

フリーランス(じぶん)からじぶんに給料を出すというお話にはならないわけです。

なので、経費にならないわけですから、じぶんの給料に相当する生活費も所得の一部となり、税金(所得税)がかかることになります。


いっぽうで、会社の場合。
会社をつくれば、会社から社長であるじぶんに給料を出すことはできます。

その給料は会社にとっては経費になるので、その分、会社の利益(所得)は減ることになり、会社が負担する税金(法人税)が減ることになります。

そして、じぶん(社長)が会社からもらった給料については、給与所得としての税金(所得税)がかかります。
ただ、もらった給料に対して丸々税金がかかるわけではなく、概算の経費を差し引いた残りの所得に対してです。

このほかにも、
・フリーランスとして消費税を払っていた → つくった会社では免税事業者を選択
・税率の仕組み(所得税 vs 法人税)

といったことも、会社をつくるメリットになり得ます(消費税はインボイス制度後は微妙です。資本金1,000万円以上にするなら関係ありませんが)。


ただ、メリットがあることにはデメリットもあるものです。

まず、会社をつくるにもお金は必要です。

株式会社なら30万円ほど、合同会社でも7万円ほどはかかります。


さらに社会保険への加入も必要です。

社会保険料は給料が多いほど負担する保険料も増える仕組みです(上限はありますが)。

上述のとおり給料を払うと経費になって税金を減らせはしますが、給料を増やすと社会保険の負担は増えます。
この負担も軽くはありません。

たとえば、給料が毎月10万円くらいなら、年間36万円くらいですし、給料が毎月30万円くらいなら、年間100万円を超えます。

そしてこの保険料を会社と個人でだいたい半分ずつ負担することになります(といっても、じぶんで全部工面することになりますが)。


それと、法人税。
会社の利益が赤字であっても、7万円の税金は最低でも負担することになります(法人としての住民税)。

ほかにも、会社にすることで、経理や税金の手間や難易度を考えて税理士に報酬を払う、報酬が高くなる、といったこともあります。

会社にするかどうかは、こういったこと以外にも検討すべきことがあるので、そうしたことも踏まえて考えるべきでしょう。

ひとり会社をつくった話

「会計士とか税理士の会社にしたらいいんじゃないの?」といったことを聞かれることがあります。

公認会計士の場合だと監査法人。税理士だと税理士法人というのがそういった会社にあてはまるわけですが、そうした会社はたくさんあります(税理士法人はとくに)。


ただ、監査法人は5人、税理士法人でも2人以上いないとつくれないというルールがあるのです。

ひとりのわたしにとって、どっちもつくることはできないわけです。

ただ、こうした法人でない会社なら、つくることはできます。

そうしてひとり会社をつくりました。

株式会社ではなく合同会社です。

合同会社も数年前に比べるとだいぶ認知されてきています。
AppleやAmazonという合同会社の存在が大きいのかもしれません。

会社設立にかかるお金は前述のように株式会社と合同会社ではかなり違います。

あとは、法律によって多少の違いはあるものの、大きくは異なりません。

ちなみに、株主ではなく出資者、代表取締役ではなく代表社員というポジションです。

ポジションに興味もなく、しごとするにも株式会社でないとならない理由もなかったことから合同会社を選んだ次第です。

ひとり会社をつくった理由

手間とお金もかかる会社をつくるのか、つくらないのか。

わたしの場合、個人(フリーランス)で公認会計士・税理士業をしていて、会社をつくる必要性がない中、あえて会社をつくったのには理由があります。
それは次のようなものです。

社会保険の負担

正直なところ、会社をつくろうと決めた大きなきっかけはこれです。

フリーランスだと国民健康保険と国民年金、会社だと社会保険(協会けんぽ)です。

どちらも保険に入るという意味では違いありませんが、保険料の決まり方が違うのです。

会社であれば、前述のとおり給料(厳密には通勤手当込み)によって保険料負担が決まります。

対して個人(フリーランス)の場合は、まず国民年金が16,520円(令和5年度の場合)。配偶者が働いていなければ「×2」です。

国民健康保険料の方は、確定申告書の所得(つまり利益)によって決まります。さらに子どもは扶養にならず、被保険者としてカウントです。

結果、保険料負担は膨らみやすくなります。

それだけに、経費としてお金を使っても、出ていくだけ。

年金はまだしも、健康保険は負担が増えたからといって、受けられるサービスはほぼ同じです。

となると、どちらがコントロールしやすいか。わたしの中での答えは会社でした。

といっても、会社をつくるには、定款や謄本に記載する目的が必要です。
つくった会社でやることがないなら、つくる意味はやはりありません。

そこで、次の理由です。

芽を育てる

「士」としての仕事で会社をつくるなら、公認会計士ではあと4人、税理士ならあと1人必要です。

ただ、わたしの場合はひとりです。そのひとりを選んでいます。

となると、会社をつくるなら、会計士・税理士のしごと以外でのしごとということになります。

独立してからは、資格にとらわれないで、いろんなことを仕事にできればと考えるようになりました。

多少強引かもしれませんが、会社をつくることで、そうした考えの宣言だったりもします(ブログで書くことも、その決意表明だったりします)。
少しづつではありますが、会社でできるしごともできるようになってきています。

「会社をつくる」という体験

フリーランスとしてできないことでも、会社ならできるということもあります。

・会社をつくる
・給料を払う
・社会保険に入る
・社会保険料を払う
・会社としてのルールを決める
・じぶんの会社の経理と申告をしていく
・会社と個人間でのやりとり
・会社と個人と家計の全体の数字をチェック

個人の仕事だとチェックする側なわけですが、いざじぶんの会社のこともやってみると、経営されている方の気持ちもそれ以前に比べてわかります。

同じように、じぶんの会社という土台で経験していくことで、また感じることもあるはずです。

お金のこととか、社会保険のこととか、決算や申告のこととか。
人を雇う、雇わないということも、今後ひょっとしたら違った感じ方をするかもしれません。

少なくとも、わたしの場合は、じぶんでやってみないと、本当の意味で話も聞けないですし、伝えることも難しいと感じています。

会計士や税理士の仕事も会社でできれば話が早いのかもしれませんが、できないので個人(フリーランス)と会社の2つということになります。


と、このように会社をつくるなら、いろんな面からよく考えておきましょう。

■編集後記
昨日は朝タスクと会計士業、カフェでブログなど。
朝は屋根に雪がうっすら積もっていました。とうとう冬到来です。

■息子(9歳)
昨日は訪問リハビリと学校に。
学校から帰ってくると、鼻を気にして「ティッシュちょーだい」と。
どうやら、かぜのひきはじめのような症状。学校の先生からも「いちおう、気をつけてくださいね」と。
季節の変わり目はこういうことありますね。

■昨日の1日1新
・デスク用に観葉植物を購入

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