行政コスト計算書(PL)の「その他の業務費用(その他)」は本当にゼロなのか?
役務費の支出の中には物件費にならないものもあり、その内訳はわかるようにしておくのがおすすめです。
役務費って?
自治体の支出(歳出)の1つである「役務費」。
支出のうち、電話代や宅急便などの通信運搬費、手数料や保管料、広告料のような支出は「役務費」として処理することになっています。
同様に保険料も役務費。
火災保険料や自動車の自賠責保険、損害賠償保険なども役務費としての支出です。
この「役務費」。
需用費の支出のように、すべて「物件費」になるわけではありません。
「PLその他の業務費用」で処理するものもあります。
とくに「その他の業務費用」の「その他」が「-」(バー)となっているのであれば、資金仕訳をチェックしてみるのがおすすめです。
「物件費」ってどんなもの?
統一的な基準では「物件費」として処理する支出はそれなりに多いです。
支出(歳出)としては、
・報償費
・旅費
・交通費
・需用費
・使用料及び賃借料
といったところは、物件費という扱いです。
前述の「役務費」も同じくです。
いっぽうで、国のマニュアルでは
・消費的な性質の経費
・資産(貸借対照表)にならないもの
が物件費とされています。
需用費であれば、消耗品や燃料費などはいずれもモノを消費している性格なので「物件費」。
役務費でも、電話料金や検査手数料のようにサービスを消費しているので「物件費」として処理すればいいわけです。
ただ、役務費のなかでも、前述の保険料だと「消費」というキーワードにはなじみません。
そんなわけで、同じ支出(役務費)であっても、支出の性格が違うので、地方公会計では科目を分けて処理します。
元となる情報はわかりやすくしておく工夫
財務書類の作成を外部に委託しているという場合、支出(歳出)データをもとに財務書類を作成していきます。
その場合、「保険料のキーワードで検索しても該当する伝票はないなー」ということで、役務費のすべてを
・PL物件費/CF物件費支出
として処理することはあり得ます(自動仕訳で)。
もちろん、内容や金額で判断することもあるので、物件費が直ちに間違いとも言えない場合もあるでしょう。
とはいえ、ルール上の原則はあるわけです。
今回の例だと、細節や細々節のような内訳が支出データになかったとしても、備考欄などで誰がみてもわかるように内容を記録しておけば済む話です。
人口が少ない小さな自治体や一部事務組合などでは、システムを入れる代わりにExcelでつくっているというケースもあるでしょう。
Excelでつくるなら工夫できる幅も広がります。
・オートフィルターを使う
・検索、置換する
・ピボットテーブルで集計する
というように。
Excelでつくるとデータを整理するという思考は磨きやすいです。このあたりは民間と自治体で違いはないかと。
委託を受けている側としても、元のデータは整理されているという前提はあるでしょうし、もし不明なところがあれば質問なりしてあいた穴を埋めなくてはなりません。
聞かれる側の自治体担当者としても「そんな過去のことなんて忘れてる…」なんてこともあるかもしれません。
調べ直すといっても、すぐにはできなかったり、別の仕事を中断しないとなりません。
1つの内容について質問したら、他のところでミスが見つかったなんてこともよくありますから。
誰から見てもわかりやすい情報に整理しておくということは、お互いにとってのメリットです。
委託しているかどうかに関係なく、「誰が見てもわかりやすいように」という視点は、他の場面でも活きる話ですから、もっておきたいものです。
■編集後記
昨日はオフ。朝の習慣のあとは家族でドライブに出かけました。隣町の石狩まで行きましたが暑さが(気温35℃)。本州の方にとっては珍しくもないのでしょうけど。
■息子(10歳)
ハンバーガーはモス好きで昨日久しぶりに行きました。なかなかワイワイキッズバーガーからは卒業できないらしく、昨日はキャラクターグッズの中からボールペンをもらってました。以前はミニカーなどもらっていたので、それが「ペン」になったことを考えると、やはり成長したのかなと考えるようにしています。
■昨日の1日1新
・宇治抹茶シェイク(モス)
・佐藤水産サーモンファクトリー(石狩)