フリーランスにとっての源泉徴収は報酬を支払う側・受け取る側で整理しておく

  • URLをコピーしました!

フリーランスになると「源泉徴収って必要なの?」と迷うことがあるかもしれません。

報酬を払う側、受け取る側それぞれの場合で整理しておくのがおすすめです。

「源泉徴収」とは

所得税では「源泉徴収」というルールがあります。

雇っている従業員に給料を支払ったり、仕事の依頼先であるフリーランスに報酬を支払うという場合、それを受取る側にかかる所得税を、給料や報酬からあらかじめ差引きておき、受取る側に代わって支払うというルールです。

支払う期限は、給料や報酬を支払った月の翌月10日まで。税務署に払うことになっていますが、給料や税理士などへの報酬については、半年に1回(7/10、1/20)まとめて支払える特例ルールもあります。

通常は、給料や報酬を受け取った本人が確定申告をして支払うはずの税金を、それよりも前に支払うことにので、税金の前払いとも呼ばれています。


どんな報酬が対象になるのかもルールで決められています(原稿料、講演料、デザイン、写真、弁護士、税理士や公認会計士など)。

フリーランスが給料や報酬を支払う場合は源泉徴収は必要?

フリーランス(ひとり)で仕事をしていて、給料や報酬を支払うといった場合、

A. 家族に給料を払っている(青色専従者給与)
B. 仕事をお願いしたフリーランスに支払う報酬
C. 仕事をお願いした法人に支払う外注費

といったケースがあります。

A.家族(青色専従者給与)に給料を払ってる場合には、源泉徴収は必要です。

給料を月8万円以下などにして税金がかからないようにしていることもめずらしくはありませんが、その場合でも0円で源泉徴収する必要があります。

源泉徴収した税金を支払うのと、源泉徴収した結果、支払がゼロになるのとでは、支払う手間に違いはあっても、源泉徴収が必要であることに違いはありません。

B. 仕事をお願いしたフリーランスに支払う報酬がある場合には、源泉徴収は必要です。

ただ、源泉徴収したものをいつまでに支払うかは、前述のように翌月10日までというルールがあります。
特例の場合は半年に1度で済みます(1月~6月までに源泉徴収した分は7/10、7月~12月までの分は翌年の1/20まで)。

C. 仕事をお願いした法人に外注費を支払う場合は、源泉徴収というややこしい話にはなりません。

個人に支払う給料や報酬ではないからです。
この場合は、外注費を支払ってもらったのが法人なので、法人税のルールに沿って処理されることになります。

報酬を受け取る側のフリーランスは源泉所得税をチェックしておく

フリーランスが源泉徴収が必要な仕事をして報酬を受け取るという場合、源泉所得税が差し引かれて入金されます。

そのため、取引先が源泉徴収をしなければならない法人やフリーランス(個人事業主)という場合には、こちらから出す請求書には源泉所得税についても記載しておくべきです。

そして、入金されたときには、入金額と請求書の源泉所得税を差引いた後の請求額と一致しているかチェックしておきましょう。

Excelの請求データ→請求書の連動で試算

請求書は、専用のソフトなどでも源泉所得税を出してくれるものもありますが、Excelで試算しておくのもExcelと税金の両方の勉強にもなるのでおすすめです。

たとえば、こういった請求データで源泉所得税を計算しておき、

※[@金額]は報酬(税抜)で100,000円。これに10.21%を掛けると源泉所得税は10,210円と計算できます(端数調整のためROUNDDOWN関数を使っておきましょう)。

請求書と連動させておくと便利です。

マクロを使うと取引先に送るPDFをつくるところまででも自動化できます。

Excelのゴールシークの逆算で試算

さらに、入金額から源泉所得税を逆算して試算してみることもおすすめです。

たとえば、こういったシートを用意しておき、

Excelの[データ]→[What if分析]→[ゴールシーク]を選んで(ショートカットキー:Alt → A → W → G でも選べます)、

ゴールシークには、このように入力します。

[数式入力セル]には、逆算のスタートとなる入金額B5セル、
[目標値]には、実際の入金額99,790円、
[変化させるセル]には、逆算のゴールとなる報酬額B2セル

というように入力しましょう。

OKをクリックすると、このように報酬額100,000円を見つけてくれます。

請求書ソフトを使っておけば、とりあえず自動で源泉所得税も自動計算してはもらえますが、Excelでこうした仕組みを手を動かしながらつくっておくのも、税金やExcelの理解にもつながります。

・請求データ→請求書 をつくる流れの中で
・入金チェックとしてゴールシークを使う

源泉所得税のチェックをどうやるのか1つとってみても、切り口を変えてみれるのもExcelの良いところです。
わたしの場合は、請求書ソフトだとどうにも使いにくさを感じることがあるので、Excelでやっています。

ゴールが最短でわかることも大事なことかもしれませんが、それに加えてしくみやプロセスを理解するために手を動かしてみるのも、理解につながる方法ですのでおすすめです。


■編集後記
昨日は朝タスクや研究開発、仕事部屋の整理など。台風のような強風で外出はせず自宅で過ごしました。

■昨日の1日1新
・とあること
・ELECOM 電源タップ ACアダプタT-NSLK-2620BK(ブラック)

■息子(11歳)
昨日は自宅でのんびりと。昨日ゲットできたGARTEN OF BANBANのグッズの開封の儀式も。
おもちゃ屋さんのオーナーがおまけしてくれたGARTEN OF BANBANの空き箱も気に入っているようです。


この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

  • URLをコピーしました!