社長と会社の間でお金を回すなら注意しておきたいポイント(役員借入金・役員貸付金)

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※カフェにて- by Canon RP(RF35mm f 2.0 1/80 ISO 100)

社長がポケットマネーから会社にお金を貸すことがあります。

そのときに注意点しておきたいポイントをお話します。

目次

社長のポケットマネーを会社に貸す

上場企業や上場を目指すような会社でもない限り、社長がポケットマネーから会社へお金を回すことはめずらしくありません。

たとえば、会社の資金繰りが厳しいときに、社長から借りたお金でやりくりするような場合です。

社長からしてみたら、自分がつくった会社。その会社にポケットマネーを渡したからといって、そこまで気にならないかもしれません。

社会保険料が労使折半といっても、会社負担分を用意するのは社長ですし、役員報酬を会社からもらえるといっても、いくらもらうかを決めるのは社長です。

社長と会社は一心同体と感じるのもある意味仕方のない話です。

とはいえ、社長と会社は、それぞれ別人と考えるのが法律上のルール。会社は設立登記をした段階で既に社長とは別の存在になっています。

ということで、社長が自分の会社にポケットマネーを渡した場合には、会社としては”社長から借りたお金”であることがわかるように「役員借入金」として処理します。

名前に「役員」とついていますが、借入金であることに変わりはなく、会社にとっては負債(債務)です。
となると、返済していく必要があります。

社長から借りたポケットマネーは借入金

社長がポケットマネーから自分の会社へお金を回すというときは、会社にとっては「役員借入金」として処理します。

この「役員借入金」。

会社の資金繰りのために社長がお金を都合するといったような場合だと、
社長「会社にお金を貸した」
 ↓
会社「社長にお金を借りた」
 ↓
「役員借入金」

というようにイメージしやすいかもしれません(仕訳だと、借方:現金預金/貸方:役員借入金 と処理します)。


ただ、借りるというよりも「立て替えた」というような場合にも「役員借入金」を使います。


たとえば、経費になる買い物を社長のクレジットカードで決済したような場合です。

こういう場合でも、
社長「会社の代わりにカードを切って決済した」 
 ↓
会社「社長に経費を立替払いしてもらった」
 ↓
「役員借入金」
というように考えます(立替えの場合だと、「役員未払金」といった方がイメージしやすいかもしれませんが)。


社長のカード決済でなくても、社長の現金や預金で払うとしても「役員借入金」は同じになります。

というように、社長個人からの支払いであれば、すべて「役員借入金」で問題ないわけです。

これが会社のお金で決済するとなると話は変わってきます。

会社名義のカードで決済したとなると、「現金」や「普通預金」、「未払金」などで使い分けなければなりません。


と考えると、経理の手間を減らせる「役員借入金」のほうが都合がいいことはあります。処理も楽になりますし。

とはいえ、役員借入金にも注意すべきことがあります。

役員借入金の注意点

役員借入金も”借りたお金”なわけですから、返す義務はあります。

ただ、返済する相手先は社長なわけですから、義務といってもそうはしないことはあります。
結果、役員借入金の残高が右肩上がりということも少なくありません。

いっぽうで会社が社長に支払うお金としては、役員報酬が通常でしょう。

この役員報酬以外に引き出すお金を役員借入金の返済とすることがあります。

役員借入金の残高が1000あるとして、それ以上に引き出して返済として処理してしまうと役員借入金の残高がマイナス(△)になってしまいます。

ただ、役員借入金もマイナスになることはありませんから、マイナスになるということは会社が社長に返しすぎていて、逆に貸している状態を意味します。つまり役員貸付金(資産)です。

役員貸付金となると、いろいろと話もややこしくなりがちです。
・利息をつけないとならない
・返済をうけずに放置していると「役員報酬じゃないの?」と見られてしまう
・銀行からすると、会社に貸したお金が社長のポケットマネーとして流用してるのでは?と見られてしまう

などのようなやっかいな話にもなってきます。
会社の実態も純資産からマイナスして見られますので。

そうならないように、役員借入金の増減、残高などは毎月チェックしておきましょう。

ちなみに、スタートアップ企業のように、これから事業規模を大きくしていきたいといったときは、ステップアッでも証券会社などから突っ込まれるポイントでもあるので注意しておきましょう。


■編集後記
昨日は朝タスクや習慣以外はオフ。午後は車で買い物などでした。

■昨日の1日1新
・とんかつ玉藤伏古店
・とある研究

■息子(11歳)
チョコマシュマロを食べたいということで、板チョコとマシュマロを買ってきて自宅でつくって食べてみました。買い物はパパ、つくるのはママ、食べるのは息子と手分けした感じに。買い物は一緒に行ってほしかったんですけど…。家でのんびりしたい気分だったようで無理強いもできず。夜はこち亀(NETFLIX)をパパと。時代を感じつつも楽しめました。


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