月次の経理はざっくりでも、最低限注意しておきたい経理の精度

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毎月の経理なら、そこまで精度を気にしすぎる必要はありません。

ただ、外部に見せることもある試算表や年1回の決算書では、とくに、使っている科目やありえない残高には気をつけておいたほうがいいこともあります。
それについて、主だったものをまとめてみました。

目次

経理の精度

経理をするときに、「間違っていたらどうしよう…」と迷い、不安になりながらも、どうにか日々やっているという声も見聞きします。

会計ソフトの科目で「どれを選べばいいのか?」と迷うのも仕方のないことです。「選択肢が多ければ多いほど迷う」というのは、何も経理に限った話ではありませんから。Amazonで買い物するときも迷うことはありますし。

ただ、科目でいえば、多少間違いがあったとしてもそこまで気にする必要もありません。

たとえば、本来「通信費」であるものを、「支払手数料」としても、同じ損益計算書の経費の枠内での話。経費トータルで見れば結果は変わず、税金の計算にも影響しないので問題はないといえるのです。


ただ、影響するケースもあり、科目の使い方に注意が必要なものもあります。

たとえば、本体「工具器具備品」であるものを、「消耗品費」とするようなケース。

工具器具備品は、貸借対照表の科目(固定資産の属性)、消耗品費は、損益計算書の科目(販管費の属性)。

本来固定資産になるものは、減価償却をして、何年かに分けて少しずつ経費にするものです。
それを消耗品費とすると、まとめて経費にしてしまうことになり、税金計算も低く計算されてしまいます。

それ以外にも、役員報酬や交際費、寄付金など税金計算に影響する科目もあります。


とはいえ、こういった経理の精度は、上場企業のような会社でもない限り、年1回の決算のときなどに見直しするのが通常です。

逆に言うと、年1回の決算でもない限り、経理の精度をそこまで気にする必要はないわけです。

このように考えると、「間違っていたらどうしよう…」という理由だけで、経理を放置してしまうのは、避けるべきということがわかるかと思います。

使っている科目はそのままでいいのか

年1回の決算でもない限り、経理の精度はそこまで気にする必要はないというのは前述したとおりです。

ただ、例外もあります。
金融機関のような外部に見せるときの決算書や試算表といったものです。

内部ではそこまで気にする必要はないとしても、外部の目線は違うので、そこには気をつけておきましょうという話です。

たとえば、次のような科目を使っていたなら注意しておきましょう。

役員貸付金(会社の場合)

フリーランス(個人事業主)ではなく会社の場合、「役員貸付金」という科目が会計ソフトには存在しますが、もしこれを使っているなら、使わないことを考えてみたほうがいいでしょう。

なぜなら「役員貸付金」とは、会社が社長などの役員個人にお金を貸している状況。金融機関の立場からすると、「融資したお金が役員のポケットマネーとして使われているのでは?」と疑念を与える材料にもなるからです。

もちろん、お金に色はついてはいませんから、実際、借りたお金をそのまま役員に回しているかどうかはわからないわけですが、少なくとも、その可能性に目をつけられる可能性はあるわけです。

資金繰りなどから社長がポケットマネーを会社に入れる(会社側からすると「役員借入金」)は、よくある話なわけですが、その逆には気をつけましょう。

このあたりについては、以前こちらの記事にもまとめていますので参考にしてみていただければ。

仮払金

もう1つは、仮払金という科目です。

仮払金とは、文字通り「仮」で払っているお金で、経費に使ったものなのか、それとも資産に払ったお金なのか、プライベートで払ったものなのかも経理上は未確定という状況。

払った時点では、仮払金で経理したとしても、それがいつまでたっても仮払金のまま放置していたとすると、「しっかり経理してるのか?」「他の処理もいい加減にやっているのでは?」と疑念を与えることにもなります。

金額が少額ならいいという話もあるわけですが、「仮」であることに変わりはないわけですから、仮払金という科目はないほうがいい科目ということは注意しておきたいポイントです。

内容がわかるものは、仮払金は使わず、はっきりとした科目を使って経理しておくといいでしょう。

雑費

よく見かける科目に「雑費」があります。

「雑費」とは、文字通り、雑多なものに使う科目。これといってあてはまる科目がないようなときに、「と、とりあえず雑費で」と使われる科目です。

これは、データを分類ごとに整理したいとき、「その他」のようなフォルダをつくってしまうときと似ています。

「その他」というフォルダがあると、ついそのフォルダになんでもかんでも入れてしまって、中身にどんなデータが保存されているのか訳がわからなくなるのと同じような状況。

「雑費」という科目があると、つい「わからないからとりあえず雑費で…」と処理してしまいがちです。
で、蓋を開けてみると、雑費の残高が、他のどの経費の残高よりも多いということも。

経費でどんなものにコストをかけているのかチェックするときにも、雑費が多すぎると、それなりに分類集計して番う科目にしましょうという話をすることもあります。

雑費の科目があって、その残高が多すぎるということは、これもまた「しっかり経理してるのか?」と疑念を与えることにもなります。

一度使ってしまったら、つい使ってしまう科目なだけに、使わないと決めてしまったほうがルールとしてはスッキリするはずです。

ありえない残高になっている科目はないか

科目の使い方は問題ないとしても、その科目の残高が明らかにおかしなことになっていると、一目で「経理大丈夫?」と見られます。

たとえば、

・預金の残高にマイナスの符号がついている(「-」や「△」)
・売上に比べて売掛金の残高が異様に増えている
・固定資産の残高が異様に増えている

などの残高があると、「おかしいな…」となるものです。
とくに預金がマイナスというのは、ひと目見てありえない残高です。

異様に増えている残高であれば、まずはその理由を説明できればいいわけですが、預金のマイナス残高のように「ありえない」ものを、そのまま外部に見せてしまうのは、それだけで信用に関わってくる話です。

決算をしてつくる決算書ならまだしも、月単位でもつくれる試算表は、精度がざっくりでも構わないわけですが、外部に出すものについては、
・使わないほうがいい科目
・ありえない残高
には、最低限注意しておきましょう。


■編集後記
昨日は朝のタスクあとはJRで移動して会計士業中心でした。
夜はアニメ版の「グノーシア」、「コールドケース」のシーズン1からをNETFLIXで。


■昨日の1日1新
・特別快速エアポート号
・グノーシア(アニメ)
・コールドケース シーズン1(NETFLIX)

■息子(11歳)
昨日は進路相談とリハビリ通院で新しい車いすの納品チェックを。
学校用と自宅外出用の2台、色は息子の好きな色でそれぞれ納車していただきました。
息子も、その出来栄えに満足した様子で良かったです。


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