フリーランスとして独立するなら、決算書とは付き合っていくことになります。
その基本の「き」として、
貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)の内容(かなりざっくり)、勘定科目の一覧
についてまとめてみました。
フリーランスの決算書
フリーランス決算書は
・貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)
・損益計算書(そんえきけいさんしょ)
の2つです(青色申告の場合)。
貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)
資産と負債、純資産の3つで構成されるものです。
BS(ビーエス)とも呼ばれます(英語表記の略)。
青色申告決算書だと、こんな様式です↓。
なんともわかりにくい見た目です。
そんなわけで、この表が何を表現するものなのか、ざっくりと図で表現してみましょう(↓)。
左側は青の「資産」。
右側は赤の「負債」と緑の「純資産」です。
この位置関係が大事です。
慣れるまでは、冷蔵庫やトイレの壁にでも貼ってこのイメージがつくようにするのもいいかもしれません。
資産
まず、左側の青い「資産」。
資産ってどんなものかを一言でいうと、
「将来お金として入ってくる可能性があるもの」です。
財産をイメージしてみるといいです。
現金(お金そのもの)だけでなく、在庫や土地・建物の不動産、車や工場にあるような機械なども資産に該当します。
負債
右側の赤い「負債」。
負債はイメージしやすいかもしれませんが、
一言でいうと、
「将来お金として出ていく可能性があるもの」です。
クレジットカードや住宅や事業所のローンなど将来お金を払うものが該当します。
純資産
そして右側の緑「純資産」。
これはフリーランスだと「元入金(もといれきん)」(会社でいう資本金)のことです。
これも一言でいうと、
「事業を始めてからこれまでのつぎ込んだお金」です。
資産、負債とセットで、後述の「勘定科目一覧」を参考にしてみてください。
損益計算書(そんえきけいさんしょ)
収益と費用、利益の3つで構成されるものです。
PL(ピーエル)とも呼ばれます(英語表記の略)。
実際にはこんな様式です↓。
PLもはじめからこれ(↑)を見てしまうと、余計に難しく感じてしまいます。
図解するとこんな感じです(↓)。
右側にピンクの「収益」
左側は黄色の「費用」、「利益」。
BSと同様、この位置関係が大事です。
収益
右側の「収益」。
これは「売上」のことと覚えておけば十分です。
これも一言でいうと、
「事業の成果として将来、資産を増やす可能性があるもの」です。
ちょっと長いですが・・・
ポイントは「将来、資産を増やす可能性」。
ここは、青色申告に特有の発生主義というお話に絡んできます。
PLよりBSが大事(税務署以外は)と言われるのも、
そもそもの意味からも納得できますね。
費用
左側の「費用」。
これは「経費」のことです。
これも一言でいうと、
「売上を獲得するために費やしたもの」です。
ポイントは「費やしたもの」は、なにもお金に限らないということです。
減価償却費が経費といわれるのも、元をたどれば「費用」ってそもそも何か
ということに行きつくわけです。
ここも、青色申告に特有の発生主義というお話に絡んできます。
利益
左側の「利益」。
これは「儲け」ですね。
収益ー費用=利益 で差引き計算された結果というだけのものです。
決算書を理解するために覚えておくべきポイント
貸借対照表(BS)、損益計算書(PL)という2つの決算書を理解するためには、
・BSとPLの図解
・5つの分類(資産、負債、純資産、収益、費用)
・それぞれの位置関係(左:資産、費用、右:負債、純資産、収益)
をまずおさえておくことがポイントです。
その後の理解は進みやすいはずです。
あとは細かい用語は気にしないことも。
フリーランスでよくある勘定科目一覧表
勘定科目とは名前のことです。
名前なので、これは覚えるしかありません。
が、試験勉強の頃のように暗記する必要はありません(いつの間にか覚えてるものですので)。
貸借対照表の勘定科目一覧表
区分 | 勘定科目名 | 内容 |
資産 | 現金 | キャッシュレスにすればないかと |
当座預金 | あまりないかと | |
定期預金 | 満期まで引き出せない預金 | |
その他の預金 | 普通預金など | |
売掛金 | 掛売りした時の未回収の代金 | |
有価証券 | 売ること目的で持ってる株式 | |
棚卸資産 | 在庫、業種によってないこともある | |
前払金 | 前払いした代金の一部など | |
貸付金 | 第三者に貸したお金。 | |
建物 | 事務所、店舗、倉庫などの上物 | |
建物附属設備 | 建物に附属してる水道などの設備 | |
機械装置 | 工場や建設現場で使う設備 | |
車両運搬具 | 人や物を陸上で運搬・牽引するもの | |
工具器具備品 | 事業用の道具 | |
土地 | 敷地などの土地 | |
事業主貸 | プライベートのための支出(資産でも費用でもない) | |
負債 | 買掛金 | 掛仕入した時の支払未了の代金 |
未払金 | 仕入以外の支払未了の代金 | |
借入金 | 第三者から借りたお金 | |
前受金 | 売上る前に受け取った代金 | |
預り金 | 源泉所得税など一旦預かったお金 | |
貸倒引当金 | 未回収代金のうち、回収できない可能性があるお金 | |
事業主借 | プライベートからの入金 | |
純資産 | 元入金 | 事業開始からつぎ込んだお金。次年度のはじめに事業主貸と事業主借を元入金に集約 |
損益計算書の勘定科目一覧表
区分 | 勘定科目名 | 内容 |
収益 | 売上高 | 商品・サービスの代金 |
雑収入 | 商品サービス以外の副収入 | |
費用 | 売上原価 | 期首在庫+仕入れ-期末在庫 |
租税公課 | 印紙税、自動車税、固定資産税 | |
水道光熱費 | 水道、ガス、電気、灯油代 | |
旅費交通費 | 公共交通機関、タクシー、宿泊代 | |
通信費 | 携帯、ネット、電話、切手代 | |
広告宣伝費 | チラシなど | |
接待交際費 | 仕事関係での接待飲食など | |
損害保険料 | 自動車損害保険、火災保険 | |
修繕費 | 修理代、保守代 | |
消耗品費 | 文房具、10万円未満の備品など | |
減価償却費 | 建物など経年劣化分を費用にしたもの | |
福利厚生費 | 従業員の医療、慰安、保険 | |
給料賃金 | 給料、賃金 | |
外注工賃 | 修理加工などを外注した加工費 | |
利子割引料 | 借入金の利息 | |
地代家賃 | 店舗、事務所の家賃、駐車場代 | |
貸倒金 | 売掛金の貸倒れ分 | |
雑費 | 上記以外のもの | |
専従者給与 | 同一生計の家族(妻・夫など)への給与 |
勘定科目はこれらに限定されているわけではないので、当てはまるものがなければ追加しても大丈夫です。
わたしは費用だと「会費」といったものも追加してます。
あくまで、内容と照らし合わせて適当だと思う科目であれば問題ありません。
細かいことを気にしない
これからフリーランスとして独立すると、決算書とはずっと付き合っていくものです。
今回はその基本の「き」として、
貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)の内容(かなりざっくり)、
勘定科目の一覧
についてまとめてみました。
決算書は、納税するために作るものではありません。
あくまで、事業の経営状況を映し出す鏡です。
何事もはじめが肝心とは言いますが、
それは事業をはじめることにも言えることでしょう。
事業を軌道にのせるためにも、
正しく映し出す鏡は欠かせません。
1年目から作っていきましょう。
■編集後記
朝タスクと自宅で会計士業、夕方は整体へ。
■息子(8歳0か月)
昨日、出没したクマ。
まだ発見されてませんが、今日は普通に学校はありました。
息子「クマさん、早く動物園に帰れればいいね」と。
■1日1新
・Word Fenceプラグインの更新