公認会計士試験に晴れて合格(論文式)すると、次はどこで働き、実務経験を積むかというステップが待っています。
公認会計士試験は、短答式(マークシート形式)と論文式に分かれていて、この2つに合格すると「準会員会会員」と名乗ることになります(十数年前までは、「会計士補」と名乗ることができましたが)。
「公認会計士」の資格を得るには、さらに3年の実務要件と修了考査(実務チックな論述試験)にパスしなければなりません。
この実務経験をどこで積むか。
一般的には「監査法人」と呼ばれる組織に入所するケースがほとんどです。
監査法人にも、その規模により、大手監査法人と準大手監査法人、中小監査法人といった呼び方があります。
そのうち、大手監査法人は「BIG4(ビッグフォー)」と呼ばれ、文字通り4つの監査法人が大手に属します。
(EY新日本、Deloitteトーマツ、KPMGあずさ、PWCあらたの4つ)。
働き方改革は、監査法人にも影響していて、それは大手であっても中小であっても、人材不足が顕著のようです。
つまり「売り手市場」。
合格者が希望する監査法人を選べるといってもいいでしょう(就職試験はありますが)。
就職先をどのように決めるか。修了考査までの3年間をどのような実務経験を積むかという戦略を考えておくことが肝要です。
どのような実務経験を積みたいか
どのような実務経験を積むか(積みたいか)。
まず、監査法人が顧客とするクライアントの規模が選び方のひとつの目安になるでしょう。
世界に展開するようなグローバルな会社を見てみたいとか、地域密着の会社を見てみたいとか。
前者であれば、おのずと大手監査法人が候補になりますし、後者であれば大手も準大手も中小監査法人もありでしょう。
ただ、後者の場合、大手監査法人の首都圏の事務所より地方の事務所の方が可能性は高いです。
地方出身であれば地元の地区事務所を検討するケースも多いかと(実際わたしもそうでしたので)。
ただ、前者と後者どちらを選ぶにしても、デメリットもあります。
前者の場合、クライアントの規模が大きいことから、必然的に監査日数も多いです。監査チームに配属されると、年中その会社1社の仕事ばかりという可能性があります。
また、監査はチームを組んで行うため、年中同じ監査チーム、同じ人たちと仕事することもあり得ます。
担当させてもらえる仕事も監査業務の全体の部分的なことを任されるケースが多いです。
後者の場合はその逆といったイメージです。
規模が小さい会社の場合は監査日数も少ない傾向があり、監査チームの人数も多くはありません。
そのため、複数の会社の監査チームに配属され、任される業務領域も多く、監査業務の全体を早く経験することも可能です。
色々な上司と仕事する機会もあるため、上司の仕事を見て学ぶ機会も増えます。
修了考査を合格した後、どのようなキャリアを想定しているかにもよりますが、
監査法人でキャリアを積むのか、外に目を向けるのかも考えておいたほうがよいでしょう。
どのように働きたいか
実務要件を満たすまでの間だけ監査法人で経験するとしても、働き方(労働環境、労働時間、残業)も監査法人を選ぶ際の目安になります(人それぞれでしょうが)。
働き方改革によって、監査法人も多かれ少なかれ残業は昔ほど多くはなくなってきているようです。
以前はクライアント先で徹夜、朝日とともにタクシーで帰宅といった話もよく聞きましたが、残業時間が制限されているように思います。
そうはいっても、年に一度の期末監査(年度決算の監査)は以前と変わらず繁忙期です。
残業が制限される中、人材不足というのは監査法人の大小に関係なく共通するところかと思いますが、
やはり大手のほうが、就業規則などしっかり管理されているような印象です(あくまで個人的な感想ですが)。
また、コロナ渦に伴ってリモートワークが普及してますが、監査法人の場合はもともとそれに近い環境で仕事をしていましたので、あまりコロナ以前との働き方の違いは世間一般と比べて感じません。
往査するか事務所 という働き方から 往査するか自宅か という感じですので。
ただ、これまたそうはいっても、大手とそれ以外では少なからず違いがあるのも事実です。
大手監査法人では、コロナ以前の数年前からペーパーレス化が導入され今では完全なペーパーレスとなっています。
監査調書もクライアントから入手する資料もすべて完全電子化となってきています。その意味で大手監査法人の方が、リモートワークに移行しやすく、現に往査の日以外は自宅でリモートワークが進んでいます。
さらに緊急事態宣言下では、往査する人数も極力絞って、できるだけ自宅でリモートワークし、クライアントへの感染リスクを減らす取り組みもされています。
一方でリモートワークの普及で同じ監査チームのメンバーと直に顔を合わせる機会も減り、オンラインでのチャット(ZOOMやTeamsなどのアプリ)でやりとりすることが多く、わからないことなどを気軽に教えてもらいにくくなっているというデメリットもあるようです。
逆に中小監査法人では、大手ほどペーパーレス化が進んでいないケースもあります。
監査調書も紙というところもあるようなので、リモートワークへの移行も大手ほど進んでいない印象です。
その反面、大手のように監査チームの上司に疑問点をリアルに聞ける機会は以前とあまり変わらないというメリットもあるようです。
買い手市場だからこそ、早めの情報収集
短答式や論文式試験がひと段落し、ほっとする間もないまま、自身のキャリアプランに合った就職先を決めるのはなかなか難しいものです(キャリアプランも難しいですが)。
採用試験も合格発表当日というケースが多くなってきてますので、受験勉強の合間にできる限り情報収集しておくといいでしょう。なにせ売り手市場なのですから。
■編集後記
クライド会計のおためし版を使って使い勝手を比べています。
今日はMF。会計を知ってる人には評判が良いようですが、会計に不慣れな人にはそうでもないようです。
ゲーム感覚で触って操作を覚えるのが遠いようで一番の近道なのかもしれません(自分の生に合ってるらしく飽きません)
■息子7歳3か月
雨降りだったので傘をさして登校。今日は行き帰りとも付き添いました。
お気に入りのトミカの傘が壊れているのに気付き、買い替えないといけません。
給食は気に入らなかったようで、ほとんど食べず。
帰宅して早々に「おやつ食べたい」という始末。変わらずベビースターにハマっています。
■今日の甘い物
チョコビスケット(ブルボン)
■1日一新
お弁当づくり