じぶんで確定申告をするのであれば、ミスしやすいところは注意しておきたいところです。
確定申告前にチェックしておきたいポイントをあげてみました。
じぶんで確定申告をするなら決算書のチェックは必須
じぶんで確定申告をするときに、どこをチェックしていいのかわからないという声も見聞きします。
ただ、期限(3/15)はあるわけで、どこかで線引きして終わらせてしまう必要もあるわけです。
ミスしやすいものとして想定されるのは、売上のもれ、経費のもれ、同じ取引を2重で仕訳処理してしまっているなど。
経費のもれは、その分税金が増える(利益が増える)ので、税務署的にはとくに問題視してきません。
逆に、売上がもれていると、税金が本来より少なく計算されてしまうので、税務署からあれこれと言われる可能性はあります。
処理が2重になっていれば、そもそもの金額がおかしくなります。
じぶんで確定申告をやるなら、どれもなくした状態にしたいものです。
そこで、確定申告をする前に、チェックしておきたいミスしやすいポイントをあげてみました。
確定申告をする前に ここだけはチェックしておきたい10のポイント
確定申告をする前に、ミスしがちな次の項目をチェックしておきましょう(順不同です)。
預金残高は一致してる?
クラウド会計ソフトの預金残高とネットバンクの口座残高が一致しているかチェックしておきましょう。
クラウド会計ソフトを使っていてネットバンクとデータ連携していれば、両者の残高は一致しているはずです。理論的には。
ところが、一致していないケースもあり得ます。
・じぶんで預金科目を使って仕訳している
・データ連携が止まっている
・連携されたデータを仕訳してない
・連携されたデータをうっかり削除してしまった
こういうことも無いとは言い切れませんから、過信しないで両者が一致していることはチェックしておきましょう。
12月の売上がもれていないか?
入金が1月以降になるものについて、その入金が何月の売上の入金分なのかをチェックしておきましょう。
もしそれで前年分の売上あれば、今回の決算書(損益計算書)の売上に含める必要があります。
借方:売掛金/貸方:売上
というように仕訳をしておきましょう。
で、今年の1月以降入金があったときに、
借方:預金/貸方:売掛金
としておきます。
入金が年をまたいだとしても、売上の仕訳は別に必要です。
12月の経費がもれてないか?
同じように経費についても支払いが1月以降のものでも、12月分のものがないかチェックしておきましょう。
請求書などの内容に12月分などと記載があるものがあれば、たとえ支払い1月以降だとしても12月の経費です。
借方:経費/貸方:未払金(仕入れなら買掛金)
借方:経費/貸方:未払費用
というように仕訳をしておきましょう。
支払ったときに、
借方:未払金(買掛金、未払費用)/貸方:預金
とします。
それと、経費については2重仕訳になっていないかについても注意しましょう。
たとえば、クレジットカードとレシートがあって、それぞれで仕訳をしているようなケースです。
クラウド会計ソフトの推移表をざっと目を通してみる、重複をチェックする機能で確かめてみるのも手です。
ただ、年間分をまとめてやるとなると、タイヘンですけど…。
借入金残高は一致してる?
銀行など金融機関からの借入れがある場合、クラウド会計ソフトの借入金残高と返済予定表残高が一致しているかチェックしておきましょう。
よくあるのが、支払利息も含めた金額で借入金の返済として処理しているケースです。
払った利息分は経費ですし、払った元金分は経費ではなく借入金を減らす処理をします。
元金と利息、この2つをきっちり分けておく必要があります。
返済で払ったお金を元金と利息に分けて仕訳していけば、返済予定表の年度末時点の元金残高と一致してくるはずです。
個人事業税を経費にしてる?
支払った個人事業税をきちんと経費にしているかチェックしておきましょう。
とくに、納付書払いにしている場合、うっかり経費にするのを忘れてしまうことがあるので注意が必要です。
所得税や住民税と違って、個人事業税は経費になりますから。
そして、納付書で支払うことにとくに理由がないのであれば、来年同じ轍を踏まないためにも、支払方法を見直しましょう。クラウド会計ソフトとデータ連携ができるクレジットカード決済にする、口座振替にするというように。
支払方法を見直すことで、経理の手間は減らせるものです。
現金商売でもない限りは、現金を使うのを減らしてみましょう。
「事業主借」・「事業主貸」の内容は本当にプライベート?
事業主借、事業主貸の科目について、総勘定元帳などで内容をチェックしておきましょう。
これら2つの事業主という名前がつく科目は、プライベートとのお金のやりとりを処理する科目。
それなのに、本当は売上や経費になるものが含まれているかもしれません。
クラウド会計ソフトを使っていれば、仕訳を提案してくれますが、それは最初の設定があってのこと。
はじめを間違えた科目で処理してしまうと、それ以降、間違えて学習した科目を提案しつづけます。
もし該当するものがあれば、あるべき科目に直しておきましょう。
10万円未満なのに固定資産?
貸借対照表の固定資産(有形、無形)残高と固定資産台帳の期末残高が一致しているかチェックしておきましょう。
年内に新しく買った、売ったという場合にはとくに注意が必要です。
10万円未満のものでも、固定資産にしているケースもありますが、消耗品費などの経費で処理することができます。
あえて固定資産を選んでいるならともかく、そうでないなら、経費にしなくてよいのかはチェックしておきましょう。
固定資産にすれば、その分、経費になるタイミングは少しずつ遅くなります。
また、青色申告を選べる場合、1つの組み合わせが30万円未満であれば、その年に全額を経費にできます(年300万円までの上限はあります)。
ただ、この方法を選ぶと、償却資産税の対象になる点は注意しておきましょう。
10万円以上20万円未満なら、一括償却資産にして償却資産税の対象にしないということ選択も検討してみましょう。
前年から繰越した残高(未払金など)はそのまま残ってていい?
前年の貸借対照表で未払金や買掛金として処理したもののうち、繰越残高のままの相手先がないかチェックしておきましょう。
すでに支払っていれば、
借方:未払金(買掛金)/貸方:預金
として、未払金を減らしましょう。
同様に、前年の前受金があれば、
借方:前受金/貸方:売上
として、売上に振替えます。
前払金、前払費用なども同様です。
前年に絡むので意外と見落としがちですが、忘れないように処理しましょう。
IT導入補助金が課税売上?
消費税の申告をするケースに限ってのおはなしですが、
IT導入補助金を受け取っている場合、雑収入で処理しているか、消費税の区分が「対象外」となっているかチェックしておきましょう。
科目が雑収入で正しく処理していても、消費税の区分を「課税売上10%」のようにミスしてしまう可能性はあります。
消費税にも影響してしまうので、チェックしておきましょう。
前払いしている所得税は申告書に入ってない?
報酬が源泉徴収の対象となるデザイナーなどの方は、源泉徴収された税金を確定申告書に入れているかチェックしましょう。
源泉徴収された税金を確定申告書に含めておかないと、税金からマイナスすることができません。
忘れずに入れておきましょう。
こちらも参考にしていただければ。
なお、源泉徴収されたあとの入金額が売上になっている場合は、仕訳の間違いです。
源泉徴収前の売上総額が売上となるように仕訳を直しましょう。
このように源泉徴収分を分けて仕訳すると、確定申告に使う数字をチェックしやすくなります。
借方:売掛金/貸方:売上
借方:仮払源泉税/貸方:売上
「比較する」というチェックの術
前年や前月、前年の同月というようにそれぞれ比較することは、チェックの足掛かりとしておすすめです。
比較するだけでミスが見つかることもあります。
たとえば、
・クラウド会計ソフトの前期比較で前年の数字と比較する
・クラウド会計ソフトの推移表を材料にExcelで毎月の数字を横断的にチェックする
といったことはやっておきましょう。
結果、
・毎月かかっている経費が○月だけ抜けていた
・12月の売上がなぜか少ない
といったことに気づけることもあります。
そのうえで、
・12月までの売上、経費はすべて入れた
・貸借対照表の残高のぞれぞれが、内訳がわかるし、残高同士が整合してる
という状態になれば、数字の精度も高くなっているはずです。
慣れてくれば、
・どこがミスしやすいのか
・どこを優先的にチェックすればいいのか
というのもわかってきます。
じぶんで経理をするなら、チェックもじぶんでできるのが効果的でシンプルです。
チェックできるスキルも磨いていきましょう。
■編集後記
昨日は朝のタスク、じぶんの確定申告の準備、ブログや読書を。
夜は新しい商業施設を体験しに出かけました。立派すぎです。
■息子(9歳)
引き続き妻の実家で。ばあばとじいじに遊んでもらってます。
顔がまるく見えました(スマホカメラの設定のせいかもしれませんが)
■昨日の1日1新
・名物串カツ 世界の田中
・coffee&chocolate Marley(レアチーズパテ)
・cocono susukino
・肉と玉子のいりつけ(餃子の王将)